ごきげんよう。
「ケンタロウのデリバリーキッチン」へようこそ。
※デリバリーキッチンについて知りたい方はコチラより♪
朝晩の風が少しやわらいで、台所に新米の甘い香りが混ざりはじめる頃です。
八月の暑さを引きずりつつ、食卓は秋の入り口に立っています。
今回は、9月においしいものを見渡しながら、体調や風習に関した食べ方、そして毎日に無理なく回せる献立のヒントを書いてみました。
むずかしい理屈は脇に置き、旬の力に家事を乗せる感覚で読んでいただけたらうれしいです。
朝晩の風がやわらぎ、台所に新米や果実の甘い匂いがただよう九月になりました。
夏の名残りと秋のはじまりが同居するこの時季は、体調も気分も揺れやすいぶん、食卓で季節のリズムを整えるのが一番効きます。
ここでは、九月に店頭で出番が増える旬の食材と、家庭で実践しやすい料理や保存のコツ、そして行事食の楽しみ方をまとめます。
むずかしい理屈は脇に置き(2度目)「今日の最良をおいしく」に集中していきましょう。
まずは魚介からです。
青魚の脂は乗りはじめ、白身は澄んだうまみをたたえ、川魚の香りもしっかりしてきます。
店頭で光って見える一尾や、切り口がしっとりした切り身に出会えたら、それが今日の主役です。
- 秋刀魚は塩焼きに大根おろしが王道ですが、平日ならフライパンで軽く焼き目をつけてポン酢と生姜でも十分に季節が立ちます。
- 秋鮭はちゃんちゃん焼きやホイル焼きで野菜ごと包み、汁もれを少なくして洗いものを減らします。
生筋子を見かけたら、少量でも醤油漬けにして新米にひとさじ落とすと秋のご褒美になります。 - 鯖・鰯は下処理をていねいにし、味噌や生姜で香りを整えると子どもも食べやすくなります。
切り身は帰宅が遅い日でも扱いやすく、当日か翌日までに使い切るのが合言葉です。 - 貝は蜆や浅利の出汁が澄み、味噌汁ひと椀で食卓が秋の空気になります。
次に野菜です。
畑は夏組と秋組が同居するため、色も香りもにぎやかです。
火の通りが早いものと遅いものを組み合わせると、平日の段取りがスムーズになります。
- 茄子は瑞々しく、揚げびたしや焼き浸しがよく合います。
油を吸いすぎないよう、焼く前に薄く塩をして水分を出すと軽やかな仕上がりになります。 - ピーマン・万願寺唐辛子はさっと炒めて鰹節と醤油、あるいは味噌と胡麻で和えるだけで箸が進みます。
- 新生姜・茗荷・大葉の香味野菜は疲れた舌をリセットしてくれます。
薬味は刻んで小瓶に入れておくと、うどんや冷奴、焼き魚にすぐ使えて便利です。 - 里芋・蓮根・牛蒡などの根菜が少しずつ顔を出します。
里芋は下茹でして冷凍しておくと、平日の味噌汁や煮物にすぐ展開できます。 - きのこ類は舞茸・しめじ・椎茸を石づきだけ落としてほぐし、ミックスにして冷凍ストックに。
炒めもの、スープ、炊き込みご飯へ自由に回せます。
果物も本番です。
葡萄(巨峰・シャインマスカット)、梨、無花果、早生の林檎が並びます。
朝はそのまま、夜はヨーグルトやチーズと合わせて塩気と甘さのバランスを楽しむと、食卓に満ち足りた感じが生まれます。
無花果はバターで軽く焼き、少量の醤油と蜂蜜でからめても良いおつまみになります。
新米の季節も忘れずに迎えます。
新米は水を吸いやすいので、いつもより気持ち少なめの加水で炊くと粒が立ちます。
少量の酒と塩を米になじませてから炊くと、おかずが少ない日でも満足度が上がります。
炊き込みご飯は、鮭×きのこ、生姜×油揚げ、牛蒡×鶏の三択を覚えておくと迷いません。
行事食も九月ならではの楽しみです。
秋のお彼岸にはおはぎを、十五夜には月見団子や芋の子汁を用意します。
すべてを手作りにしようとせず、買えるものは上手に買いつつ、季節の気配を食卓へ招き入れるのが続けるコツです。
おはぎは粒あん、きなこ、ごまの三種があれば十分に晴れやかですし、団子は市販品にみたらしや餡を添えるだけでも子どもは目を輝かせます。
ここからは、旬を平日運用するための段取りを短くまとめます。
週の頭に「焼く主菜」「煮る副菜」「生の箸休め」をそれぞれ一つずつ仕込むと、三日間は迷いません。
魚は塩をして水を出し、紙でおさえてから冷蔵。
根菜は下茹でか電子レンジで下ごしらえし、冷蔵庫で二〜三日で使い切る分量に分けます。
薬味は刻んで瓶に入れ、使うたびに足す方式にすると香りが長持ちします。
たとえば月曜は、秋鮭のホイル焼きに舞茸と玉ねぎを添えます。
火を入れる間に、茄子の焼き浸しを作り置きに回し、梨をむいてデザートにします。
火曜は、鯖の生姜煮を主菜に、きのこマリネと胡瓜の浅漬けで軽さを足します。
水曜は、豚と蓮根の重ね蒸しにポン酢と柚子胡椒を合わせて、味の決まり具合でご飯の量を調整します。
木曜は、新生姜ごはんに汁気のある浅利の味噌汁、無花果のソテーを小皿に。
金曜は、里芋と鶏の甘辛煮で締め、残りの薬味と卵で月見うどんにして早めに寝ます。
無理なく回すには、「一皿は確実に火にかける」「一皿は冷たいまま」「一皿は作り置き」の三点を守るだけで十分です。
保存と衛生の注意も季節柄もう一歩だけ丁寧にします。
常温で長居させず、二時間を目安に冷蔵へ移動。
煮物やカレーの粗熱は浅い容器に分けて素早く抜き、翌日はしっかり再加熱してから食卓へ。
魚や肉は最下段で密閉し、葉物や作り置きは上段へ。
冷凍は七〜八割収納にとどめて風を回し、解凍は冷蔵庫でゆっくり行います。
ここからは旬の食材をカテゴリー別にざっと見渡します。
買い物メモとして必要なところだけ拾ってください。
- 魚介の柱は秋刀魚、秋鮭、鯖、鰯、戻り鰹、鯵、蜆、浅利です。
焼き・煮・蒸し・汁で四方向を押さえると、主菜の迷いが減ります。 - 野菜は茄子、ピーマン、万願寺、オクラ、ズッキーニの夏組に、里芋、蓮根、牛蒡、人参、かぼちゃ、長葱が合流します。
きのこミックスは必ず一袋仕込み、味噌汁・炒め物・炊き込みへ。 - 果物は葡萄、梨、無花果、早生林檎、プルーン。
朝はそのまま、夜はチーズかヨーグルトと合わせて甘塩を両立させます。 - 乾物や発酵は出汁昆布、鰹節、切り干し大根、ひじき、漬物少々。
重さを受け止める役や、塩味のバランス調整役に回します。 - 主食は新米を中心に、蕎麦やうどんの温冷を使い分け、雑穀は少量で風味づけに。
子ども向けの配慮も一緒に考えます。
青魚は骨と皮をていねいに除き、甘辛の照り焼きか味噌煮だと食べやすくなります。
野菜は大きさをそろえて柔らかめに、根菜は下茹でしてから味を含ませると時間短縮になります。
果物は小さく切って窒息に注意し、酸味が強いときはヨーグルトに蜂蜜をほんの少しだけ。
アレルギー表示と体調の波にはいつも以上に寄り添い、無理はしないを家族の合言葉にします。
食費の見直しは、旬がいちばん効きます。
高いものを買わないのではなく、「安定しておいしい旬の柱を選ぶ」だけで満足度が上がり、間食や買い足しが減ります。
一人前単価で見て、迷ったら旬の野菜と豆腐、卵を足すのが早道です。
冷凍庫は余白を残し、割引品は使い切れる量だけにするのが、結果的に節約になります。
最後に、九月の台所を軽くする合図を三つだけ決めておきます。
ひとつは、「新米を炊く日」をカレンダーに入れることです。
その日はおかずを減らし、米の香りを主役にします。
ふたつ目は、「きのこミックスの仕込み日」を週一で固定することです。
汁も炒めも炊き込みも迷いなく回せます。
みっつ目は、「月見をする夜」を一度だけでも作ることです。
団子でも卵でも良いので、月を見上げて一息つくと、台所の速度が整います。
季節は待ってくれません。
でも、季節は毎年めぐってくれます。
できる日に、できる分だけ。
九月の台所が、あなたの暮らしにやさしく寄り添いますように。
最新情報はXで発信中!
リアルな声等を @busylifekitchen で毎日つぶやいています!